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I've Met Borders.

@女の子が泣いている

☆I know you feel that you're through.
Oh wah wah ah sit there, hmm, count,
Ah, count your little fingers,
My unhappy oh little girl, little girl blue, yeah.
(Janis Joplin, "Little Girl Blue")

☆「あのね、あたし、もうだめ、つかれちゃった」
 「私はちゃんとわかってるから、わかってるから、だから、ねぇお願い、
  ねぇそこに座って、いつもみたいに指で数を数えて、ねぇお願い。
  いつも辛い思いばかりさせてごめんねごめんね、私の中の小さなジャニス」
  (ジャニス・ジョプリン『リトル・ガール・ブルー』)

・先日、久々に姉と一緒にショッピングに行ってきました。
 姉は数回、自分の娘の名前を間違えて私の名前で呼んでいました。
 姉の6歳の娘と私(いつの頃の私?)が、似ているというのです。
 私はいつも姉の真似ばっかりしていたからなぁ。
 姉がいなければ、私はもっとひどい状態になっていたかもしれない。感謝、感謝、感謝です。
 で、インディアン・ジュエリーのお店で、石でできたお人形のようなものを買ってきました。
 コーンメイデンといって、トウモロコシの形をした女の子の精霊が3人くっついているものです。
 3本指のグローブのような形をしていて、女の子3人で一身同体になっています。

・ところで、私が境界性人格障害のことを知ったのは、今年の6月末です。
 その前に、3回ほど、ちょっと変わった経験をしました。
 1回目は、8年前、大学時代の友人たちと会った時のことです。
 その中の1人は、境界性人格障害でした。
 彼女は当日、少々精神状態が良くなくて、まあ、大したことはなかったのですが。
 帰り際、私は電車に乗り、彼女はホームに残り、「ばいばいー」って手を振りました。
 その時、彼女は笑顔でにこにこしていたにもかかわらず、
 私には、小学生の女の子が泣いているように思えたのです。変なの、って思いました。

 2回目は、6年前、予備校での授業中です。
 生徒の1人に拒食症で心療内科に通っているという女の子がいました。
 彼女は当時18歳位だったのですが、外見的には10歳位にしか見えませんでした。
 授業中、ふと、放心状態になっている彼女が目に入りました。
 その時、現実の彼女の映像とオーバーラップして、別の映像が見えました。
 大きな真っ黒い暗闇の中で、3歳か4歳位の小さな女の子が、ちっちゃくうずくまっているのです。
 その小さい女の子は、巨大な暗闇に飲み込まれて消え入ってしまいそうな感じでした。

 3回目は、5年前、実家に行った時のことでした。
 母親と、姉と、姉の娘(当時は赤ちゃんでしたが)と、私がいました。
 何かのきっかけで私がちょっと大人げなく怒りました(恥ずかしい限りです)。
 すると母は赤ちゃんを抱いて庭へ行き、一生懸命笑顔で、たかいたかいをしました。
 その時、母の映像と重なって、12歳か13歳位の女の子が泣いている姿が見えました。
 後日、母親にその時のことを言いました。あの時、女の子が泣いていた、って。
 すると、母親は、ぞっとするような恐ろしい声で、私が何回か遭遇したことのある鬼の声で、
 「あんた何言ってるの」と答えました。

・これらはどういうことなのでしょうか。
 恐らく、私の中にいる女の子が、彼女たちの中にいる女の子に共鳴したのだと思います。
 今これを書いている私の中には、
 突っ張って意地悪で時に凶暴で、でも私より賢く、
 辛い時には矢面に立ち常に理不尽を全身で受け止めてきた10歳の女の子と、
 10歳の女の子に守られたもっと小さい女の子がいます。
 3人で一身同体です。
 ビリー・ミリガンみたいな全くの別人格を内蔵しているのではなくて、
 いろんな年代の私が強く残っている感じです。
 何をオカルティックな、非科学的な、と思われるかもしれません。
 私はこの状況は非科学的とは思いません。
 それに特別なものとも思いません。誰もがある程度、このような状態にあると思うのです。
 それは、次回以降に書いていきます。

・私の母親もまた、数人を有しています。
 私のイメージ上では、一番外側にある母親という皮膜をむくと、
 中からオナモミのような表面がとげとげの種子がでてきます。これが12or13歳の女の子です。
 その種子を割ると、中には、真綿がぎっしりつまっていて、
 奥には真綿でくるまれたちっちゃい女の子がいます、
 さらに女の子の前には、門番のように、鬼が立っているのです。
 私も姉も、鬼の正体を知っています。
 何で鬼が生じてしまったのか、知っています。
 彼女が、何も好き好んで心の中に鬼を住まわせているのでないことも、知っています。
 でも、鬼が現れると、きついです。
 現在彼女は、表面の皮膜がぼろぼろ剥がれ、日に日にとげとげが強くなっているようです。
 彼女の中で女の子が泣いています。私はとても切ないです。

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