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境界性人格障害(BPD)を生きる

【3】I've Met Borders.
Aばんざいパタン&自転車ガガガ:2008年11日6日
☆「人から嫌な思いをさせられた時は、その時の感情を伴ってその事件をいつまでも忘れられない。
それは、その人の頭の中で神経回路ができあがってしまったからである。
嫌な思いをさせた方は、被害者ほどには強い感情を伴っていないためか、
あっけらかんと忘れてしまうものである。
被害者の悲劇とはそんなところから生まれるのかもしれない。」
(鈴木映二著『セロトニンと神経細胞・脳・薬物』星和書店、2008(第5版))

・うちから歩いて5分で、海に出ることができます。
平日も休日も、観光客の人たちが大勢、開放感に満ちたごきげんモードでやってきます。
先日、60歳前後のおばさんたち4人組のおもしろい行動を目撃しました。
砂浜に4人が並んで座り、全員がばんざいをして、
せーの、て感じて、4人同時に、ばんざいをしたまま、後ろにパタンと倒れたのです。
あまりに可愛らしくて、私は思わず笑ってしまいました。

またうちは、某単線電車の線路の真横に建っています。
先日、家にいるとき、線路からガガガガっというすごい音が聞こえたので、
何かと思って外に出てみたら、
20代の外人の男性2人が、線路の上で、自転車を猛スピードで走らせ、
白い肌の顔をかなり紅潮させ、線路脇に立っていた私の目の前を通り過ぎていきました。

・ところで、私はごくたまに、気持ちが不安定になり彼にあたってしまう時があります。
彼はそんな時、ちょっと凶暴な10歳児を相手にしているような気がすると言います。
10歳児という言葉を聞いて、驚きました。
以前にも書きましたが、私は小学校4年生の時、ほぼ半年の間、毎日自己暗示をかけ続け、
小学校5年生の時に、自分の人格を、意図的に、反抗的で反社会的なものに変えたからです。

私の場合、辛かったこと・理不尽だったことを連想させる出来事に出会う度に、
海馬か扁桃体にスイッチが入り、10歳児の言動が現れてしまうのかなあ、と思います。
それが、自分の中に子供がいるような感覚を生じさせるのかもしれないなぁ、などと、
勝手に考えています。
さらに、10歳の頃の神経回路が残存しているのならば、
10歳の私の人格が存在しているともいえると思うのです。

境界性人格障害の特徴として、子供っぽいということが挙げられますが、
その理由は、もしかしたら、子供時代に形成した神経回路が使用されることが多いからかな、と
思うのです。

・脳にスイッチが入る度に、神経回路はより強固になり、
鉛筆をナイフで夢中になって削っているとどんどん不要なほどに芯を尖がらせてしまうように、
鋭敏さが増してしまう感じがしまいます。

・私は今、10歳の時と同様に、毎晩自分を自己暗示にかけています。
いや、正確にいうと、私の中の10歳児に、
今まで辛い時には矢面に立ち常に理不尽を全身で受け止めてきた10歳児に、
毎晩語りかけています。
嫌なことは全部、大人の私が引き受ける、
だからあなたには、楽しいこと、嬉しいこと、夢中になりたいことを引き受けてほしいと、
語りかけています。

私はいま現在、私が10歳だった時の母親の年齢と、同じ年齢になっています。
私の中の10歳児は、もしかしたら、この時まで待っていたのかなぁとも、ふと、思います。

・砂浜で見かけた4人組のおばさんたちは、海を見て、子供の頃の遠足を想起したのかもしれません。
当時の記憶が何十年ぶりに呼び起こされ、一時的に童心が復活し、
“ばんざい&パタン”を披露したのかなぁ、と思います。
また、自転車の外人男2人組は、あの瞬間、『スタンド・バイ・ミー』の主人公のような気分で、
少年の冒険を体感していたのだと思います。

人目もはばからず何も考えず、やりたいことを楽しむのって、子供の特権ですよね、
でも、大人だって、境界性人格障害か否かとか関係なく、
状況によっては、やったっていいと思うんです。

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